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管理会計から財務会計へスムーズに連動する流れができていれば・・ |
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税理士・CFP |
畑中 成幸 |
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決算料が安くなる!決算資料の作成術 |
第9講 |
仮払金(前渡金)の内訳書/貸付金及び受取利息の内訳書 |
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社長さんは決算申告終了後、この内訳書についてきちんと説明を受けるようにしてください。 |
会計事務所におまかせのままでいるとそのうち「なに、この数字?」という項目が並んだりします。 |
(1)記載事項 |
1)仮払金 |
科目
仮払金、前払金(前渡金)、預け金、立替金、前払費用保険積立金など費用の繰り延べの性質をもつ勘定を載せていきます。 |
名称 支払先の氏名、社名 |
所在地 支払先の所在地 |
法人・代表者との関係
この科目は、内部取引が発生しやすいのでこの項目が設けられています。 |
例えば、社長に対する立替金などが残っているときは「代表者」と記載します
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期末現在有高
役員・関連会社などの関係者に対する残高は50万円未満でも個別記載が必要です。 |
取引の内容
仮払金は本来決算時にはきちんとした内容を表す科目に振り返るべきですが、極めて重要性に乏しいときはそのまま仮払金で処理する場合もあります。 |
そのようなときに、「何の支出か」をここで記録しておきます
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2)貸付金及び受取利息 |
貸付先・所在地 仮払金の場合と同様に記載していきます
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法人代表者との関係 |
受取利息
貸付金には利息がつきます。付けないと「寄付」になってしまいます。 |
相手が、社長であっても未収利息として計算しないといけません
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(2)準備資料 |
家賃・借入(支払利息の資料)・その他取引の原因となった契約の契約書コピーを用意してください。税理士を変更したときや担当者が変わったときにはその都度必要になるとお考えください。 |
これらの科目はとかく税務上の計算過程で発生するものが多く、経理担当者ですら、その発生過程を把握していないケースもあります。 |
決算終了後にその計算過程のメモを会計事務所から取り寄せるようにしましょう。 |
また、通常の事業会社で貸付が発生する場合にはどんなものがあるのでしょうか? |
一番多いのは、社長さんが会社のお金を経費として落とすことができないことに使っちゃった場合。 |
この場合、会計事務所はこの支出を「社長に対する貸付金」として処理します。 |
社長に対するボーナスとしてしまうと、経費になりませんし、社長に対して所得税までかかってしまうからです。 |
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次に多いのが、グループ子会社に資金を融通した場合。 |
中小企業が3社以上所有していると、グループ間の資金のやりとりがあいまいになりがちです。 |
事務所まかせにせず、経理担当者がきちんと管理しましょう。 |
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いずれの場合にも貸付金残高がたくさん残っていることは金融機関も歓迎しませんし、税務上も不利です。 |
決算日の前に可能な限り精算するようにしましょう。 |
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